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不動産売却に必要なものは便利なチェックリストで準備しよう

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不動産売却に必要な書類を知りたい

不動産取引は、専門の資格が必要なほど土地や建物についての知識や税法などの法律の理解、チェックするポイントの把握と物件そのものの判断といった多分野での能力・経験が必要とされます。それだけに正しく取引を成立させるためには売主・買主共に準備すべき書類が多くあり、それらの一部は「初めて聞く名称の書類」かもしれません。

しかし不動産取引の主役は、買主であり売主です。仲介する不動産業者はサポートはしますが原則取引に必要な売主側の書類は売主が用意しなくてはなりません。そのために、ここではそれらを2つのタイミングに分けて項目別にまとめ、これからの取引に役立つよう、用途や取得方法を中心に解説します。

不動産売却時にはチェックリストを活用しよう

不動産は、原則としてこの世に2つとない非常に貴重な資産です。それを所有すること・譲り渡すことは、使う上での課題やさまざまな権利関係、それらにかかる税金についての責任が誰にあるかをはっきりと示すことが重要になります。そのため不動産にまつわるさまざまな異動手続きには、多くの煩雑な書類が必要とされているのです。

特に不動産売却は、その権利を買い手に変更するという非常に重要な手続きです。売り手と買い手、仲介する不動産業者のそれぞれがスムーズに進めることができるよう、用意すべきものはあらかじめそろっていることが望まれます。そして何より「買い手が安心して買うことができる」ような、有益な情報や書類であることが大切です。

ところが、当然ながらそんな手続き自体、日頃身の回りでよくあるような暮らしの一部ではありません。人生において一度も経験しない人もいるほどですから、誰のアドバイスも貰わずに「不動産売買に必要なもの」をそろえられる人はほとんどいません。しかし、それらの本当の必要性は知らなかったとしても、何をそろえればいいのか「チェックリスト」にまとめ、一つずつ用意すれば、うまく乗り切れるはずです。

ここでは大きく「不動産業会社に売却を依頼するとき」と「買主に引き渡すとき」に必要なもののチェックリストと、その要点について見ていきます。

不動産会社に売却を依頼する際のチェックリスト

不動産会社に売却を依頼するときは、今の不動産の現状を細かく知らせなくてはなりません。万が一のトラブルを避けるために、さまざまな面で確認・証明することで、より安全で安心な取引とするためです。その中にはあまり聞いたことのない名称の書類も数多くあります。

登記済権利書または登記識別情報

「登記済権利書」とは、法務局から登記名義人に交付される書類で、登記名義人がその物件の所有者であることを証明する書類です。売却する物件が2005年以降に取得したものなら、登記済権利書の代わりに登記識別情報が発行されているはずです。そのときは登記識別情報を準備します。

登記識別情報とは、登記済証に代わって発行される、アラビア数字その他の符号の組み合わせからなる12桁の符号です。不動産および登記名義人となった申請人ごとに定められ、登記名義人となった申請人のみに通知されます。不動産の所有者としての確認に利用されるため、第三者に盗み見られることのないよう厳重に管理しなくてはなりません。

物件を取得したときに、法務局から交付された登記済権利書等を買主に渡し、移転登記が行われることで、所有権が売主から買主に正式に移ることになります。

固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書

これらは、固定資産税の納税額の確認や、移転登記の際の登録免許税の算出に必要になりますから、最新のものを用意しなくてはなりません。ただ固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に1年分の固定資産税が課税されるため、売買時期に応じて負担の割合は調整され、一部は売主に払い戻されるのが一般的です。

土地測量図・境界確認書

一戸建てや土地の売買では、土地測量図や境界確認書が必要になります。土地の売買価格を1㎡あたり価格と面積から求めることがあり、そうなるとどこからどこまでの土地なのかを表す境界がどこかということと、それによる正確な面積が非常に重要になるからです。

もし境界線が未確認な場合は、後々のトラブルを避けるため、先に隣接地の土地所有者と協議し了解を得て測量図を作成しておきましょう

建築設計図書・工事記録書等

建築設計図書・工事記録書等は、建物がどのように設計・工事で建てられたのかを示します。建物の構造がわかることは、使う上で安心するための要素になりますし、その維持・管理する上での基礎となり、将来リフォームする際には、リフォーム工事や手法の可否を決める重要な書類になります。特に中古住宅取引では、リフォームを前提としているケースもあるため、なくてはならない書類といえます。

さらに売買契約に含まれる建物は、建築基準法にのっとって建築されていることが前提です。建築確認済証や検査済証は、それを証明する大切な書類です。これは建物を使ってきた売主にとっても、これから長く使う買主にとっても、安心して取引できる材料です。

耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書等

最近わが国でも大きな地震が各地で起こっています。地震は最も避けがたい災害の一つですから、それに備えた性能があるかどうかは非常に重要です。そのため建築基準法で耐震基準が定められていますが、現在有効な「新耐震基準」は1981年に施行されたもので、それ以前に建てられた建物なら新たに「耐震診断報告書」の提出を求められるかもしれません。

同じように、建物にアスベストが使われているかどうかを調査した「アスベスト使用調査報告書」は、湿式石綿含有吹き付け材が使用されなくなった1989年以前の建物では、提出を求められる場合があります。この調査自体は「任意」であり法的な義務ではありません。そのため買主は、これらが重要事項説明書に記載されるかどうかを確認して、取引を始めるとよいでしょう。

これらの書類は、なくても売却は可能ですが、あれば買主にとって安全であることが確認でき、売主に対しても取引自体についても安心できます。できるだけ揃えておくようにしたいものです。

購入時の契約書・重要事項説明書など

これは売主が物件を買ったときに、その前の所有者との間で交わした書類です。契約書には、契約日や引き渡し日、売買代金、手付金の金額、物件の状況や付帯する特約について、重要事項説明書には物件の内容や取引条件、告知事項など、売買契約に必要な情報が記載されています。

マンションの管理規約または使用細則など

売却物件がマンションだった場合、マンションの管理規約または使用細則、維持費等の書類は、これから使う買主にとって重要です。マンションは部屋単体で存在していないため、多くのマンションではエレベーターや駐車場といった共有部分の維持のための「管理費」や、建物全体の改修のために「修繕積立金」を徴収しています。これからそれらを負担するのは買主ですから、細かく知っておく必要があります。

他にも管理組合にまつわる費用や、町内会費の負担があればもちろん、マンションの共有部分の使い方や個別に定められたルールも重要です。ペットを飼ってよいか、よいならそのサイズの上限や種類に制限があるかなど、中には意外なルールがあるかもしれません。買主にとっては重要な情報です。

買主に引き渡しをする際のチェックリスト

引き渡しの際に必要になるのは、物件そのものの情報やその確認ではなく「買主が誰なのか」「支払う口座」「ローンの返済計画」といった、取引終盤の「ツメ」にまつわるものがほとんどです。

本人確認のための書類

ここまでのやりとりで、売主が誰なのかはわかっているでしょうが、それを公式な書類で確かめたわけではありません。売却するのが間違いなく不動産の所有者本人であることを買主に証明し、万が一でも誤りがあったり偽名ではないことを示します。そのための「本人確認」に以下のような書類が必要とされています。

身分証明書

まず売主本人であることを証明する、運転免許証などの身分証明書を用意します。もし物件の所有者が複数なら、その全員のものが必要です。その中に遠方に住んでいる人がいて手配に時間がかかるようであれば、できるだけ早く連絡をするなど、引き渡しに間に合うよう備えておきましょう。

実印と印鑑証明

実印・印鑑証明書も本人を示す重要なものです。印鑑証明書には有効期限があるため、発行から3カ月以内のものを用意します。

住民票

住民票は、売主の現住所と登記上の住所が違う場合に準備します。住民票には、生年月日や今の住所に住み始めた日、その前の住所など、身分証明書にはない情報があるため、身分証明書と合わせるとより確実に本人であることを証明できます。住民票も印鑑証明書と同じく、発行後3カ月以内のものを用意します。

銀行口座書類

不動産取引では大金をやり取りします。そのため現金での受け渡しではなく、金融機関を使った振込にする場合がほとんどですから、売主が代金を受け取るための銀行口座の通帳といった、銀行口座書類を買主に渡しておきます。

ローン残高証明書またはローン返済予定表

もし住宅ローンの残債がある場合は、その総額が記載されたローン残高証明書、またはローン返済予定表が必要です。残債が残っているということは、融資した金融機関にまだ抵当権が残っているということです。抵当権が残っていれば、売主が住宅ローンの返済をしなかった場合、物件は金融機関によって差し押さえられてしまうため原則売買できません。

通常は売却取引時に、売却代金などによって残債を全額返済して、抵当権を抹消して引き渡します。買主が新たに住宅ローンを利用していれば新しい抵当権がつくことになります。

チェックリストで書類を揃える際のポイント

不動産売却のために必要な書類はさまざまで、売買取引に備えそれらをもれなく揃えるためには、いくつかのポイントがあります。

買主が決まる前から書類を準備する

売却に必要な書類は、新しく取り寄せるものばかりではありません。既に持っているものであれば、すぐに取り出せるようあらかじめ整理し、有効期限があるものはすぐに取得できるよう、取得方法や窓口、手数料やそのために必要なものをまとめ、いつ取引しても良いくらいしっかりと備えておきましょう。

不動産会社に売却仲介を依頼して購入希望者が現れるまでには、通常数週間以上、場合によっては1年以上かかります。だからといって準備を怠り直前になって慌てて用意すると、重要な書類がなく後日改めて契約することになり、関係者に大きな迷惑をかけてしまいます。スムーズな取引は、買主に対しての礼儀でもあります。売却することを決めたら、すぐにでもできる準備を始めたいものです。

またいつ購入希望者が現れてもよいように、手元にある物件情報をまとめ、業者と相談しながら必要に応じて情報提供に活用できるよう、準備しておきましょう。これは買主に対して「きちんと売却したい」という売主の気持ちを表すことになります。

買主の知りたい情報はできるだけそろえる

売主が物件を手に入れた頃と現在では、その不動産に対する要件が違うかもしれません。また買主が物件をどのように使いたいと考えているかによっては、意外なことを尋ねられることもあるでしょう。そのためにも、不動産業者に最近のニーズやこの物件のポイントなどについて、詳しく聞いておきましょう

長らく家として使って来ていれば当然と思いがちですが、買主にとってはそれをきちんとした形で証明してほしいと思うものです。例えば建物の立っている地盤に問題がないかを証明する「地盤調査報告書」や、「住宅性能評価書・既存住宅性能評価書」などの、物件構造を客観的に評価する書面や、売主が手に入れた時のパンフレット・広告も有効な物件情報の1つです。

買主がどのようなことを物件に求めているかを、買主の立場になって考え、できれば求められる前に用意しておきましょう。それはそれ自体が「買主にきちんとした形で買ってほしい」という気持ちとなって、買主に届くはずです。

チェックリストのひな型を活用する

よくある不動産売却について準備すべきものを、ひな形としてチェックリストにまとめているWebサイトもあります。それぞれマンション売却、一戸建て売却、土地売却と分けて必要な書類をまとめているため、とても見やすく活用しやすくなっています。ただし、物件の状況によっては不要なもの、追加しなくてはならないものもありますが、これらを元にして業者と打ち合わせ、独自のリストにして利用しましょう。

参考サイト:不動産投資の教科書サイトによる「不動産売却に必要な書類のチェックリスト」

参考サイト:日生不動産販売株式会社サイト「売却チェックリスト」

チェックリストは必ず役立つので前もって準備しておこう

中には「最近物忘れが目立ってきた」「専門用語は苦手」という人でも、スムーズに取引できるように不動産業者が存在しています。しかし業者はあくまで「取引を仲介するサポート役」であり、あくまで取引の主役は売主であり買主です。違いが信頼し合い、安全・安心に気持ちよく取引するためには、必要なものをしっかり準備しておく態度が必要です。それだけ買主や業者に対して「真剣である」と感じられるからです。

それをしっかり支えるのが紹介した2つのチェックリストです。Webサイトにあるものを印刷してそのまま使っても、業者と打ち合わせて必要な完全版を作るのも自由です。人生に何度もない不動産取引を、気持ちよく成立させるために、大いに役立てましょう。

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