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不動産売却の手続きの流れや必要な書類などの基礎知識を解説

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不動産売却の手続きの前に考えるべきこと

不動産の売却はやることが盛りだくさんで大変ですよね。売却活動に関しては不動産会社に一任するとしても、自分でやらなければならないことは複数あります。税理士や司法書士に代行を依頼するという手段もありますが、それなりの費用が必要です。

こうした手続きは自分で行えば、費用を抑えることができるので、売却が成功した際に得られる利益も大きくなります但し、不備が発生することがないように、必要事項をしっかりと把握しておくことが大切です。不動産売却の一連の流れから諸手続きについて解説しますので、確認していきましょう。

目次

1.不動産売却の手続きの前に考えるべきこと
2.不動産売却の手続きの流れ
3.不動産売却で引き渡しまでに必要な書類とは
4.不動産売却後の確定申告方法
5.不動産売却の手続きでかかる費用
6.不動産売却の手続きの注意点
7.手順を踏んで不安のない不動産売却の手続き

 

不動産売却の手続きの流れ

土地や建物などの不動産を売ると決めたら、まずは相場を確認します。大体の価格を掴んだら、不動産会社に査定を依頼し、信頼できると思ったところへ売却活動を依頼しましょう。不動産会社と契約するときは、その不動産の所有者が自分であることを証明する必要があります。契約すると不動産会社が広告を出すなどして買主を探します。広告に記載する情報をできるだけ提示できるよう、売主に対して書類の提出が求められます。

その後、買主が現れると、契約締結を目指して不動産の詳細な情報を提示します。買主と売主の双方が納得すればいよいよ契約です。引き渡しには登記等の手続きが必要ですから、ここはしっかり把握しておく必要があります。また、売却後も売主には確定申告などがあるため、売って終わりというわけにはいきません。

不動産売却で引き渡しまでに使う書類とは

ザックリとした流れはつかめたと思いますので、次は詳細について説明します。まずは引き渡しまでの必要書類です。頑張れば一日で用意することもできるかもしれませんが、1週間程度の時間を要すると考えておきましょう。

土地の売却手続きに使う書類一覧

必要書類 取得できる窓口、取得方法
登記簿謄本(登記事項証明書) 法務局の登記所または証明サービスセンター窓口
自宅のPCからオンラインによる交付請求が可能(書類到着までに数日必要)
登記済権利証 平成18年以前に法務局から発行されているもの
登記識別情報 平成18年から平成20年にかけて「登記済権利証」から変更されたもの
固定資産税納税通知書/課税明細書 各市町村から書面が送付される
本人確認書類 パスポート、免許証などの各管轄窓口
実印/印鑑登録証明書 居住地を管轄する市町村の自治体で登録、発行
付帯設備および物件状況確認書 土地の境界確定図:測量を依頼して作成
土壌汚染などの瑕疵:調査会社に依頼、報告書作成

土地の売却手続きに必要な書類は上記の表の通りです。これらは戸建やマンションでも基本的に必要となるため覚えておきましょう。登記関係と本人確認書類は、不動産の所有者が自分であることを証明するために使います。実印と印鑑登録証明書は、契約書に捺印する際に使うものです。

付帯設備および物件状況確認書でトラブルを回避

付帯設備および物件状況確認書は、土地の場合、境界確定図や土壌汚染の調査書などを意味します。境界線など見ればわかると思いがちですが、実は登記簿記載の面積を満たない場合があるため要注意です。隣人のブロック塀が境界線をオーバーしている、建物解体後に境界の杭が出てきて自分の土地が実は狭かった、などの事例があります。これらの問題をクリアにしておかないと、売却後のトラブルになりかねません。

土壌汚染や地中埋没物といった瑕疵の有無も調査しておくことが大切です。契約には瑕疵担保責任というものがあり、後から発覚した瑕疵については売主が解決しなければなりません。調査によって分かっていれば、売却前に解決しておくことで土地の価格を下げずに済むでしょう。解決が難しい場合でも、買主に対して事前の説明を行い、契約書にその旨を明記することで売却後の瑕疵担保責任を回避できます。

戸建の売却手続きに使う書類一覧

  • 売主本人の確認書類 (身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票)
  • 登記済権利書または登記識別情報
  • 固定資産税の納税通知書および固定資産税評価証明書
  • 建築図面/平面図図面、設備仕様書

戸建の売却は土地と建物に分かれます。土地に関しては先述の通りです。建物に関しては、土地売却で必要な書類に加え、建築図面が求められます。建築図面といっても細分化すると数種類があり、素人目では何が何だかわからないでしょう。イメージとしては設計図が近いですが、部材リストや道路との接地、隣地条件なども含まれます。

建築図面の中でも間取りを知るための平面図は重要です。また、キッチンや風呂などの設備仕様書もあります。とはいえ、これらは建築会社や分譲住宅を購入した不動産会社から提供されているはずです。

設計段階から実際に着工して配線や配管の位置が変わっていることもあるため、竣工図面があるとなおよいでしょう。これは必ずしも提供されるわけではないですが、建築会社に問い合わせれば入手できる可能性が高いです。買主がリフォームを検討している場合には測量の手間が省けて喜ばれます。

マンションの売却手続きに使う書類一覧

  • 売主本人の確認書類 (身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票)
  • 登記済権利書または登記識別情報
  • 固定資産税の納税通知書および固定資産税評価証明書
  • 建築図面/平面図図面、設備仕様書
  • マンション管理規約または使用細則
  • ローン残高証明書

マンションの場合、土地や建物全体は各オーナーとの共有物であり、詳細な建築図面は提供されていないでしょう。間取りが分かる平面図があればOKです。購入時のパンフレットなど、設備仕様が分かるものがあると買主にアピールしやすいかもしれません。重要なのはマンションの管理規約とローン残高証明書です。

マンションの管理規約には「ペット不可」などが記載されているため、買主にとっては重要な情報です。また、それだけでなく管理費の確認にも用います。管理費は売買成立の決済日をもって日割り計算し、売主と買主が負担することが一般的であり、その旨を説明しなければなりません。

ローン残高証明書は、買主に提示するものではありませんが、手続きには必要です。住宅ローンが残っている場合、それを完済しないと売却することはできません。また、不動産を売却した売上から完済するケースなど、価格を設定する際に役立ちます。売買成立後は金融機関に返済して登記簿記載の抵当権を外しましょう。

不動産売却後の確定申告方法

確定申告は所得に応じた税金を算定するための手続きです。普段の所得が給与所得のみの人は会社に手続きしてもらっているでしょうから、あまりピンとこないかもしれません。しかし、不動産の売却による所得は会社の給与とは別であるため、自分で行う必要があります。

 不動産売却で確定申告が必要な人とは

売買が成立し、利益を得た場合は確定申告が必要です。ただし、この「利益」は実際には損をしていても、利益があるものとして申告しなければならないケースがあることに注意しましょう。

不動産を売却して得た利益は譲渡所得と呼びます。売上から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いたものです。ザックリと説明すると、取得費は土地や建物を購入したときの費用、譲渡費用は売却に直接かかった費用です。それぞれの費用に該当する項目は下記の表を参照します。

取得費 譲渡費用
・不動産の購入にかかった代金
・建築代金
・購入手数料
・設備費
・改良費
・登録免許税
・不動産取得税
・印紙税
・借主への立ち退き料(賃貸物件購入の場合)
・土地を取得するときの測量費
・所有権を確保するための訴訟費用
・建物付の土地を購入した場合の解体費(購入から1年以内)
・不動産の使用を開始するまでのローンの利子
・他の物件の購入契約を解除した場合の違約金
・不動産を売るための仲介手数料
・印紙税
・借主への立ち退き料(賃貸物件売却の場合)
・土地を売るための建物の解体費
・土地を売るために解体した建物の損失額
・有利な条件で売るための違約金(※)
・借地権を得るときの名義書換料

(※)売買契約成立後、他の買主がより高額で買ってくれる場合に契約者との契約を解除するなど

上記以外でかかった費用は、原則差し引くことができません。抵当権抹消にかかる費用や税理士への支払い、売却代金の取り立て費用によって実質赤字になっても、譲渡所得はプラスになることがあります。

特別控除を活用する場合も確定申告

譲渡所得に関して特別控除が適用できる場合があります。代表的な特例は「マイホーム特例」と呼ばれるものです。居住用財産を売った場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。この特例を使えば、先述のような実質赤字でも控除額で相殺できることが多いでしょう。特例を活用したいのであれば、確定申告が必要です。

確定申告の時期と手続きの流れ

確定申告は毎年1月1日から12月31日までの所得を申告するものです。受付は所轄の税務署で、期間は2月半ばから3月半ばです。2019年の申告期間は2月18日(月)から3月15日(金)で、2018年は2月16日(金)から3月15日(木)でした。期間が変動するのは、3月15日を期日としてその1カ月前、2月16日以降の平日が開始日になるからです。3月15日が休日であれば16日や17日となります。

不動産売却の確定申告の手続きで使う書類

不動産売却の確定申告で提出する書類は2種類です。

確定申告で提出する書類

確定申告書の用紙(申告書B・申告書第三表(分離課税用))

・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】


国税庁のホームページでは作成用のサイトが開かれるため、順を追って入力していけば誰でも作成できます。提出の際は添付書類が必要ですから、これもおさえておきましょう。添付書類は下記の通りです。

添付書類

売買契約書・領収書のコピー

・不動産仲介手数料の領収書のコピー

・その他譲渡費用にかかわる領収書のコピー

・土地・建物の全部事項証明書

・住民票の除票(マイホーム特例を受ける場合)


不動産売却の手続きでかかる費用

不動産売却の一般的な諸費用については取得費と譲渡費用に関して少し触れました。その中で金額の大きいものが依頼した不動産会社に支払う仲介手数料です。また、状況によって生じる、金額が膨らみがちな出費についても考えておきましょう。

 不動産会社に支払う報酬と税金

不動産会社に仲介を依頼した場合、売買成立時には仲介手数料を支払う必要があります。不動産の売却額に手数料の割合を掛けて算出するもので、割合には条件が設けられています。

取引額 仲介手数料
200万円以下 取引額の5%以内
200万円超え~400万円以下 取引額の4%以内
400万円超え 取引額の3%以内

これはそれぞれの金額の範囲を個別で計算しなければなりません。たとえば1,000万円で土地が売れた場合、200万円の部分までは5%、200万円を超えて400万円までの部分は4%、残りが3%という具合です。ただ、この計算式だとややこしいので、取引額が400万円を超える場合は「取引額×3%+6万円」で計算します。取引額が1,000万円なら36万円が仲介手数料です。これに消費税がかかります。

また、不動産会社が売買契約書を作成してくれた場合は印紙代を支払います。不動産に限らず契約には契約額に応じた印紙税を支払わねばならず、契約書に収入印紙を貼りつける方法をとっています。1,000万円超え5,000万円以下の契約額なら印紙税は10,000円です。

不動産売却の状況によって必要になる費用

不動産を売却するときの状況は人によって異なっており、見落としがちな項目もあります。考えられる費用には次のようなものがあります。

  • ローンの繰り上げ返済事務手数料
  • 家のクリーニング代
  • 廃棄物の処分費用
  • 土地の測量費
  • 建物の解体費
  • 引っ越し費用
  • 登記手続き等の代行依頼費用

これらは不動産会社に相談したり、代行の依頼をすることもできますが、自力で手配すれば費用をおさえられるものが多いです。自分が売却したい不動産の状況や確保できる時間などを考えて、支出を見込んでおきましょう。

 

不動産売却の手続きの注意点

不動産の売却を急ぐあまり、疎かになると手続きが滞ってしまう、または損をする事項について確認します。代表的な事案から3つ「相続」「財産分与」「保険」について見てみましょう。

 相続した不動産の売却は名義変更してから

相続した不動産といっても、法的に相続が認められていない限りは売却することができません。法定相続人が複数いる場合は遺産分割協議書を作成し、全員の署名捺印が必要です。相続が決定したら、不動産の登記、つまり名義変更を行います。相続登記に必要な書類は下記の通りです。

  • 被相続人(故人)の住民票除票
  • 相続人の戸籍謄本、住民票
  • 印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書

これら一式を揃えたら法務局の登記所へ申請します。登記申請書を記載し、固定資産評価額の0.4%の登録免許税を納めれば完了です。

 結婚中に購入した不動産は離婚で財産分与の対象

名義人が夫婦のどちらであっても、結婚中に購入した不動産は共有財産であり、離婚による財産分与の対象になります。どちらかが住み続けるといった場合は、その他の財産で釣り合いがとれるように分割することになるでしょう。そういった財産がない場合、売却後に収益を分配します。

ただし、住宅ローンの残債がその他の財産の金額を上回る場合には、その不動産は財産とはみなしません。たとえば1,000万円の現金と購入時3,000万円だったマンション、その住宅ローンの残債が1,500万円あるとします。この場合、どちらかがマンションに住み続けるとしても、現金1,000万円を分割するということです。

 損をしないため保険の解約

建物を所有している場合、おそらく火災保険や地震保険に加入していることと思います。不動産を売却しても保険を解約しなければ請求がきてしまうため要注意です。解約のタイミングは物件の引き渡し時をおすすめします。売却を決めたタイミングで解約してしまうと、引き渡しまでの期間で災害に遭っても保険がおりません。

契約期間が2年間の保険を1年で解約した場合などは、返戻金還付があります。残存期間に応じて保険会社が計算し、還付に関する書類が送られてくるため忘れずに確認しましょう。

 

手順を踏んで不安のない不動産売却の手続きを

不動産売却の流れから必要書類まで見てきました。パッと見でもやることが多いと思ったのではないでしょうか。自力でやれることはやる、とはいっても、相談できる相手がいるのといないのとでは大違いです。売却活動を依頼する不動産会社を選ぶときは、査定額はもちろんですが親身になって相談に乗ってくれるかどうかも考慮しましょう。

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